ピーター・フランコウム
バックス、ヴォーン・ウィリアムズ/ホルン・ソナタ、他 |
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CD(DUTTON EPOCH CDLX 7373)
イギリスのホルン作品集
1.バックス/ホルン・ソナタ(1901)
2.ヴォーン・ウィリアムズ/ホルン・ソナタ(1903)
3. 〃 /クラリネット、ホルン、ヴァイオリン、
チェロとピアノのための五重奏曲(1898)
4. 〃/ウェールズの賛美歌による3つの前奏曲
〜ホルンと弦楽四重奏のための
ヴィクトル・サンジョルジョ(ピアノ)(1〜3)
ロイヤル・ノーザン・シンフォニア室内アンサンブル
ピーター・フランコウム(ホルン)(1〜4)
ベンジャミン・メレフォント(クラリネット)(2)
ブラッドリー・クレスウィック(ヴァイオリン)
カテリーナ・ナザロワ(ヴァイオリン)(4)
マイケル・ジェラード(ヴィオラ)(4)
ルイーザ・タック(チェロ)(4)
録音 2019年4月24&25日
イギリスのホルン奏者ピーター・フランコウムによる、バックスとヴォーン・ウィリアムズの作品です。
アーノルド・バックスの「ホルン・ソナタ」は1901年の作品。これが世界初録音です。アレグロ・モルト・モデラートの単一楽章です。フランコウムのホルンは明るく軽快なホルンです。スタッカートとレガートのきれいな演奏です。20世紀初めの作品ですが、埋もれていたのがもったいないです。11分を超える演奏時間の作品です。
ヴォーン・ウィリアムズの「ホルン・ソナタ」は1903年の作品。これも世界初録音です。2017年に発見されたもので、スケッチからマーティン・イェーツが完成させたものです。2019年にリリースされたばかりで初めて聴くホルン・ソナタです。4つの楽章で構成されています。第1楽章はアンダンテ・ソステヌート〜アレグロ・モデラート、明るい主題がホルンで歌われます。動きのある主題です。そして朗々と歌われる部分は楽しそうです。第2楽章はロマンス、アンダンテ・ソステヌート、優しい歌がゆったりと歌われます。ホルンの美しい主題が朗々と歌われます。第3楽章はスケルツォ、鳥がさえずるように細やかにホルンが演奏します。トリオは朗々と明るく歌います。第4楽章のアレグロは行進曲のように軽快に歌います。ここではハイトーンも出てきます。フランコウムの素晴らし演奏が聴かれます。新しいホルン・ソナタが2つも録音されました。
ヴォーン・ウィリアムズの「クラリネット、ホルン、ヴァイオリン、チェロとピアノのための五重奏曲は1898年に書かれていました。ピアノ・トリオにクラリネットとホルンが入るものです。4つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ・モデラート」はクラリネットとホルンが良い響きを出してピアノ・トリオと対話しているかのようです。アンサンブルのうまさは素晴らしいです。第2楽章は間奏曲でアレグレット〜アレグロ・モデラート、ヴァイオリン、クラリネットとホルンが楽しそうに歌います。第3楽章はアンダンティーノ、ホルンのソロで始まり弦楽に受け継がれていきます。ピアノの響きもきれいです。再びホルンのソロがあります。このアンサンブルの中ではホルンの存在感は大きいです。第4楽章はアレグロ・モルト、ヴァイオリンに続いてホルンの軽快なソロが聴かれます。クラリネットが動き回るように歌うのは面白いです。この演奏ではピアノが抑え気味でホルンが良く響きます。よい演奏です。
ヴォーン・ウィリアムズの「ウェールズの賛美歌による3つの前奏曲」はブラスバンドの作品がありますが、これはホルンと弦楽四重奏のための作品です。第1曲は「ファンタジア」で主に弦楽四重奏で歌われ、ホルンは和音に加わる程度です。第2曲はスケルツォ、ここではホルンも元気な音を出しますがホルンの主題はありません。第3曲は主題と8つの変奏です。主題は弦楽で提示されます。ホルンは第3変奏、と第4変奏から聞こえてきます。第6第7変奏でようやくホルンらしい音が聞こえてきます。第8変奏でホルンが聞こえてきます。この作品ではホルンが主役にはなりません。
フランコウムのホルンは世界初録音の2つのホルン・ソナタが記念すべき演奏です。 |
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