ヨハネス・ヒンターホルツァー

テレマン/ホルン協奏曲ニ長調(2009)
CD(BRILLIANT CLASSICS 94208)

テレマン/初期のソナタと協奏曲集
1.協奏曲ニ長調 TWV53:D3
   〜トランペットと弦楽のための
2.協奏曲ニ短調 TWV43:d2
  〜弦楽と通奏低音のための
3.協奏曲ニ長調 TWV43:D4
  〜ヴィオラと弦楽のための
4.ソナタ ホ短調 TWV44:e5
  〜弦楽のための
5.協奏曲ニ長調 TWV51:D8
  〜狩猟ホルンと弦楽のための
6.協奏曲ニ長調 TWV43:D4
  〜弦楽のための

アンドレアス・ラックナー(トランペット)(1)
ステファーノ・マルコッチ(ヴィオラ)(3)
ヨハネス・ヒンターホルツァー(ナチュラルホルン)(5)
ステファノ・ヴェジェッティ(チェロ&指揮)
アンサンブル・コルディア
録音 2009年8月7〜9日

 アンサンブル・コルディアはピリオド楽器の団体です。通奏低音にはハープシコードやテオルボを使っています。
 トランペット協奏曲ニ長調 TWV53:D3はクラリーノ・トランペット、ヴァイオリンとチェロのための協奏曲です。第1楽章と第3楽章ではトランペットのソロが入ります。第2楽章はトランペットが休みで弦楽のみの演奏です。通奏低音のテオルボが響きます。
 協奏曲ニ短調 TWV43:d2は〜弦楽と通奏低音のための四重奏曲です。2つのヴァイオリンとヴィオラと通奏低音によります。4つの楽章で構成されていて、ラルゴ/アレグロ/アンダンテ/プレストの順で演奏されます。第3楽章「アンダンテ」ではテオルボの響きがきれいです。
 協奏曲ニ長調 TWV43:D4は〜ヴィオラ・ダ・ブラッチョ(腕で弾くヴィオラ)と弦楽のための四重奏曲です。これも4つの楽章で構成されていて、ラルゴ/アレグロ/アンダンテ/プレストの順で演奏されます。ヴィオラ・ダ・ブラッチョは脚で抱えて弾くヴィオラ・ダ・ガンバとは違って現代の楽器同様、ヴァイオリンのように腕で抱えて弾くヴィオラのことです。穏やかな響きの楽器でさわやかな演奏です。第3楽章はヴィオラのソロが美しいです。
 ソナタ ホ短調 TWV44:e5は〜2つのヴァイオリン、2つのヴィオラと通奏低音のためのソナタ(五重奏曲)です。4つの楽章で構成されて、アダージョ/アレグロ/グラーヴェ/アレグロの順で演奏されます。重みのある弦楽合奏です。テレマンの作品の響きの美しさがあります。
 協奏曲ニ長調 TWV51:D8は狩猟ホルンと弦楽のための協奏曲です。有名なホルン協奏曲です。ヒンターホルツァーがナチュラルホルンを演奏しています。第1楽章からホルンの深い響きが流れます。また通奏低音にファゴットとテオルボが使われていますので、ファゴットのフレーズに驚きます。第2楽章のラルゴは通常の協奏曲録音とは違い、小編成の演奏の細やかな響きが素晴らしいです。ホルンも高音が美しい響きです。第3楽章のアレグロはホルンの素晴らしい響きと弦楽の美しさが素晴らしいです。またホルンに即興が入ります。これも聴きどころです。
 協奏曲ニ長調 TWV43:D4は2つのヴァイオリン、ヴィオラと通奏低音のための四重奏曲です。ヴィオラ協奏曲と同じ番号ですが違う曲です。4つの楽章で構成されていますが第3楽章「アダージョ」以外の楽章は速度指定がないようです。緩・急・緩・急の4つの楽章です。テレマンらしい作品です。ほとんどが初録音で、これは素晴らしいアルバムです。


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