千葉 馨

ブラームス/ホルン三重奏曲/R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番(1984)
LP(Victor SJX−9580)

千葉 馨の芸術
1.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調
2.R・シュトラウス/ホルン協奏曲第1番変ホ長調Op11
          (アンダーソン編:吹奏楽版)

  千葉 馨 (ホルン)(1&2)
  堀  正文(ヴァイオリン)(1)
  本荘 玲子(ピアノ)(1)
  フレデリック・フェネル指揮
   東京佼成ウインドオーケストラ(2)
  録音 1984年3月20日(1)
      1984年3月28日ライヴ(2)

 千葉 馨先生が1984年に録音したブラームスホルン三重奏曲と吹奏楽版のリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番です。
 ブラームスのホルン三重奏曲は1984年56歳のときのスタジオ録音です。息のあった演奏は見事です。柔らかな音色のホルンは力みのない穏やかな雰囲気のブラームスになっています。軽いヴィブラートをかけたホルンがきれいです。第2楽章の軽やかなホルン、第3楽章のアダージョ・メストの豊かな響き、これぞ千葉先生のブラームスといってもよいでしょう。第4楽章のヴァイオリンとホルンの切れの良さがまたたまりません。そしてホルンの豊かな響き、ブラボーです。
 リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番は通常のオーケストラではなく、アンダーソン編曲による吹奏楽の伴奏です。そのための厚い響きの管楽器の響きが前面に出てきますのでホルンのソロとオーケストラの響きが対等に聞こえてきます。第1楽章冒頭の響きは素晴らしいです。千葉先生のホルンは熱がこもってきます。第1楽章ではチェロのソロのパートがユーフォニアムで吹かれますので音色が近いので面白いです。またオーケストラのホルンとホルンのソロが交互に歌うところもあります。第2楽章ではホルンが軽いビヴラートで歌うところが素晴らしいです。第3楽章のアレグロはホルンのソロが力強い響きで歌います。オーケストラの響きに負けない素晴らしいホルンです。
 このLPからはブラームスのホルン三重奏曲がCD化されましたがリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲はCD化されていません。CD化が待たれます。


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