ジャック・ドゥルプランク

リゲティ/ホルン三重奏曲
CD(ERATO WPCS-11547)

20世紀現代音楽作品集
1.ドナトーニ/テーマ(1982)〜12の楽器のための
2.   〃 /贈り物(1984)〜11の楽器のための
3.リゲティ/ピアノのためのエチュード第1集(1985)
   1)無秩序
   2)開放弦
   3)妨げられた鍵盤
   4)ファンファーレ
   5)虹
   6)ワルシャワの秋
4.リゲティ/ホルン三重奏曲(1982)

  ピエール=ロラン・エマール(ピアノ)(3&4)
マリヴォンヌ・ル・ディゼス=リシャール(ヴァイオリン)(4)
  ジャック・ドゥルプランク(ホルン)(4)
  ピエール・ブーレーズ指揮(1&2)
  アンサンブル・アンテルコンタンポラン(1&2)
  録音 1985年7月(1)
      1986年10月(2)
      1988年12月(3)
      1986年12月(4)

 作曲家でもあるピエール・ブーレーズが演奏したドナトーニの現代作品とリゲティの2作品です。いずれも1980年代の作品。
 フランコ・ドナトーニ(1927〜2000)はイタリアの作曲家です。ピツィエッティの弟子として聖チェチーリア音楽院で学んでしました。
 12の楽器のための「テーマ」は1982年にアンサンブル・アンテルコンタンポランの委嘱作品として書かれました。編成はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、2本のホルン、3つのヴァイオリン、2つのヴィオラとチェロの12の楽器で演奏されます。冒頭ので弦楽器の不協和音にびっくりしますが、そのあとはさほど過激な音楽ではありませんが演奏は難しいでしょう。
 11の楽器のための「贈り物」は1984年にブーレーズの還暦を記念して作曲されアンサンブル・アンテルコンタンポランによって初演されました。編成は2本のオーボエ、2本のファゴット、2本のホルン、テューバ、シロフォン、ヴィブラフォン、スネア・ドラムとハープというものです。管楽器と打楽器とハープという編成の響きは華麗で豪華です。
 ジェルジ・リゲティ(1923〜2006)はハンガリー生まれの作曲家ですが、戦後の動乱で西ドイツに亡命しておりドイツで活動していました。ピアノのためのエチュード第1集は1985年の作品。6つの小品で構成され、その題名から音楽内容が想像できます。
 ホルン三重奏曲は1982年に作曲され、ヘルマン・バウマンのホルン、サシュコ・ガブリロフのヴァイオリンとエッカルド・ベッシュのピアノで初演されました。ドゥルプランクはアンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバーです。そのテクニックは素晴らしいものです。まだこの作品があまり演奏されない頃の録音ですが、実に素晴らしい演奏です。4つの楽章にわたり3人が息の合った演奏を繰り広げます。第4楽章の力強いピアノとホルンそしてヴァイオリンの作り出す響きには圧倒されます。


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