ローラント・ホルヴァート

ロマン派の音楽/ウィーン・ヴァルトホルン合奏団
CD(ARICORD CDA−19601)

ロマン派の音楽
1.シューベルト/2本のホルンの為の二重奏曲
    1)5月の歌
    2)明けの明星
    3)狩人の歌
    4)リュツォウの気高く大胆な狩
2.シューベルト/ドイツ・ミサ曲
3.シューベルト/交響曲第9番「ザ・グレート」の
     ファンファーレ
4.シューベルト/ドイツ舞曲
5.  〃    /菩提樹D911-5
6.  〃   /死と乙女D531
7.  〃   /ハンガリー行進曲
8.  〃   /宿屋D911-21
9.メンデルスゾーン/夜想曲Op61
10.シューベルト/セレナードD889
11.メンデルスゾーン/狩りの歌
12.シューマン/水夫の歌
13.シューマン/楽しき農夫
14.スメタナ/六重唱曲〜売られた花嫁より
15.グリーグ/祖国の歌Op12−8
16.  〃  /夏の夕べ
17.ヴェルディ/歌劇「アイーダ」より最後の二重唱
18.ワーグナー/ジークフリートの葬送行進曲
19.ブルックナー/グアドゥアーレ
     「この場所を作りたもうたのは神である」
20.ブルックナー/交響曲第7番より「アダージョ」

  ローラント・ホルヴァート(ウィンナホルン)
  エルハルト・ゼイフリート指揮
  ウィーン・ヴァルトホルン合奏団
   録音 1990年代

 ゼイフリート監修、編曲と指揮によるウィーン・ヴァルトホルン合奏団によるロマン派の音楽です。
 シューベルトの2本のホルンの為の二重奏曲を4本のホルンで演奏しています。第1曲「5月の歌」は2つの部分に分かれています。第2曲「明けの明星」、第3曲「狩人の歌」、第4曲「リュツォウの気高く大胆な狩」になります。かつてウィーン国立歌劇場男声合唱団との共演で録音していました。その時には2本のホルンによる演奏でした。4本で聴くと厚み、広がりがあってよいものです。全曲で3分ほどの作品です。
 シューベルトの「ドイツ・ミサ曲」はキリエ」「グローリア」「クレド」など8曲で構成されます。合唱作品をホルン・アンサンブルで聴くと良い響きになります。
 シューベルトの交響曲第9番「ザ・グレート」の第1楽章冒頭にはホルンのファンファーレともいえる主題があります。この部分を6声部にアレンジして演奏しています。気持ちよい響きです。
 シューベルトの「ドイツ舞曲」は原曲がピアノ作品です。これをディーター・アンゲラーがホルン・アンサンブルに編曲したものです。
 シューベルトの「菩提樹」は歌曲集「冬の旅」の第5曲になります。これをゼイフリートが六声部のホルン・アンサンブルにアレンジして演奏しています。
 シューベルトの「死と乙女」は歌曲ですが、ホルン・アンサンブルへの編曲にあたっては弦楽四重奏曲「死と乙女」をもとにしているそうです。
 シューベルトの「ハンガリー行進曲」は四手ピアノのための作品です。これを8本のホルンのために編曲して演奏しています。
 シューベルトの「宿屋」は歌曲集「冬の旅」の第21曲になります。これをゼイフリートがホルン・アンサンブルのために編曲して演奏しています。
 メンデルスゾーンの「夜想曲」といったら「真夏の夜の夢」の「夜想曲」です。このホルンの主題が美しい作品をゼイフリートが5つの声部に編曲して演奏しています。大変美しく優雅な響きです。これぞウィンナホルンがよく合う作品と思います。
 シューベルトの「セレナードD889」は「歌曲集「白鳥の歌」の「セレナード」とは別の歌曲です。これをホルン・アンサンブルに編曲したフーバーのものとホルヴァートの編曲を合わせて演奏しています。
 メンデルスゾーンの「狩りの歌」は歌曲です。これをゼイフリートが6つの声部に編曲して演奏しています。まさに狩りのホルンによる歌になりました。
 シューマンの「水夫の歌」はピアノ作品で「子どものためのアルバム」の中の1曲です。これをゼイフリートがホルン・アンサンブルのために編曲して演奏しています。
 シューマンの「楽しき農夫」も有名です。これも「子どものためのアルバム」の中の1曲です。ピアノでも楽しい作品ですがゼイフリートがホルン・アンサンブルのために編曲して演奏しています。そしてソロを吹くのはバスホルンですから面白いです。
 スメタナの「六重唱曲」は歌劇「売られた花嫁」第3幕の場面で6人が歌う六重唱です。これをゼイフリートがオーケストラを含めたアレンジを施しています。
 グリーグの「祖国の歌」はピアノのための「抒情小曲集」第1巻の中の第8曲になります。マーチのような作品で、これをゼイフリートがホルン・アンサンブルのために編曲して演奏しています。
 グリーグの「夏の夕べ」はピアノのための「抒情小曲集」第8巻の中の第8曲になります。雨だれのような表現をホルンで演奏するとわかりやすいです。これもゼイフリートが編曲しています。
 ヴェルディの歌劇「アイーダ」より最後の二重唱はホルヴァートの編曲です。彼がこのオペラをオーケストラピットでホルンを演奏しながら、これをホルン・アンサンブルで演奏したいと思ったようです。5本のホルンによる演奏です。
 ワーグナーの「ジークフリートの葬送行進曲」は「神々の黄昏」の中の名曲です。オーケストラの作品ですが、これをホルヴァートは4本のワーグナー・チューバのために編曲しました。ホルンもトランペットのパートもきれいに響きます。なおホルヴァートはワーグナー・チューバを吹いています。
 ブルックナーのグアドゥアーレ「この場所を作りたもうたのは神である」はモテット、宗教作品です。これはホルヴァートがホルン・アンサンブルのために編曲しました。
 ブルックナーの交響曲第7番より第2楽章「アダージョ」は有名な作品です。ホルンもワーグナー・チューバも活躍します。これをゼイフリートがホルンとワーグナー・チューバのために編曲して演奏しています。なお、バス・チューバも1本入っています。弦楽器の入らないブルックナーが荘重に響きます。まさにオルガンのようです。


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