シュテファン・ドール

ゼベリャン/ホルンと弦楽五重奏のための「木の棒の踊り」
CD(cpo 777 994-2)

ゼベリャン/室内楽作品集
1.ポロムカ四重奏曲
2.ホルンと弦楽五重奏のための「木の棒の踊り」
3.ソプラノと弦楽四重奏のための
         「ラダのための新しい歌」
4.ピアノのためのサラバンド
5.ソプラノ、ピアノ、弦楽四重奏と
  パーカッションの為の情景「ドナウ川沿いのヨール」
6.クラリネットと弦楽四重奏のための「夜の旅人の歌」
7.ソプラノ、ピアノ、弦楽五重奏と
   パーカッションのための幻想曲「Pep it up」

 ブロドスキー四重奏団(1〜3&5〜7)
 シュテファン・ドール(ホルン)(2)
 アネタ・イリッチ(ソプラノ)(3、5&7)
 ジョアン・エンリク・リュナ(クラリネット)(6)
 イシドラ・ゼベリャン(ピアノ)(4、5&7)
 ミロスラフ・カルロヴィッチ(パーカッション)(5&7)
 ボーダン・ストジッチ(コントラバス)(2&7)
 プレミール・ペトロヴィッチ指揮
 録音 2011年9月19&21日

 セルビアの作曲家イシドラ・ゼベリャン(1967〜)の室内楽作品集です。いずれも現代作品らしい音楽です。
 「ポロムカ四重奏曲」は7分足らずの小品です。2009年の作品で緊張感のある曲です。不協和音ながらも良い響きです。
 ホルンと弦楽五重奏のための「木の棒の踊り」は2008年の作品。ホルンにはゲシュトップやフラッタータンギングの奏法を要求している難曲です。弦楽五重奏も緻密な演奏をしています。「木の棒の踊り」という風変わりなダンスをホルンで表現するものです。ドールならではの豊かな表現力が聴かれます。
 ソプラノと弦楽四重奏のための「ラダのための新しい歌」は2006年の作品。4つの歌と2つの間奏曲で構成されています。ソプラノによる愛の歌を弦楽四重奏の現代的な響きで伴奏するものです。
 「ピアノのためのサラバンド」は2005年の作、ピアノ・ソロで穏やかな作品です。
 ソプラノ、ピアノ、弦楽四重奏とパーカッションのための情景「ドナウ川沿いのヨール」は1990年の作、ドナウ川はセルビアを通ってハンガリーに流れています。この川への思いが伝わってくるようです。ソプラノの歌には郷愁を感じます。ピアノや弦楽四重奏は現代的な響きです。
 クラリネットと弦楽四重奏のための「夜の旅人の歌」は2003年の作、短いクラリネット五重奏曲です。弦楽の下降フレーズが何をj表現しているのか思いめぐらすのも楽しいです。クラリネットは叫びや嘆きを歌うようにも感じられます。
 ソプラノ、ピアノ、弦楽五重奏とパーカッションのための幻想曲「Pep it up」は1989年の作、「Pep it up」とは「それを元気づける」という意味のようです。寂しそうなソプラノの歌が印象的です。


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