スティーヴン・グロス

チェコーアメリカン・ホルン・デュオ/2つのホルンのための協奏曲集
CD(SUMMIT DCD−636)

2つのホルンのための協奏曲集
1.ロゼッティ/2つのホルンの為の協奏曲
     第1番ヘ長調(Kaul V:49)
2.ヨゼフ・ライヒャ/2つのホルンの為の協奏曲
              変ホ長調Op5
2.ハーベルマン/2つのホルンの為の協奏曲ニ長調
           (ハンス・ピツカ校訂版)
3.ロゼッティ(伝ハイドン)/
   2つのホルンの為の協奏曲変ホ長調

  スティーヴン・グロス(ホルン)
  イルジー・ハヴリーク(ホルン)
  カメラータ・フィルハーモニカ・ボヘミア
   録音 2014年

 このアルバムはチェコのイルジー・ハヴリークとアメリカのスティーヴン・グロスが共演したものです。古典派の2つのホルンのための協奏曲が演奏されています。なお、ブックレットには曲順が1番目がライヒャ、2番目がロゼッティのヘ長調と記載されていますが、CDには1番目にロゼッティ、2番目にライヒャの順で収録されています。ハヴリークのホルンとグロスのホルンは音色にほとんど違いはなくよい響きになっています。
 アントニオ・ロゼッティ(1750〜1792)の2つのホルンの為の協奏曲第1番ヘ長調はよくできた作品で、ナチュラルホルンで吹いてもよい響きになりそうです。第3楽章には装飾音が入ります、ここはロゼッティらしいところです。なおこのヘ長調は他にアイファー・ジェームズらとヴァレンドルフ&サラ・ウィリスの2つの録音があります。
 ヨゼフ・ライヒャ(1752〜1795)の2つのホルンの為の協奏曲変ホ長調はティルシャル兄弟が初めて録音した名曲です。大変親しみやすいメロディが流れます。イルジー・ハヴリークとスティーヴン・グロスのどちらが1番を吹いてるかはわかりませんが、どちらにしても素晴らしいデュオです。
 フランティシェク・ヴァーツラフ・ハーベルマン(1706〜1783)は名前の通りボヘミアの作曲家です。2つのホルンと弦楽の為の協奏曲ニ長調は大変難しい曲で当時のナチュラルホルンでは演奏は困難だったでしょう。現代のヴァルブ付ホルンでもかなり難しいと思われます。第3楽章の軽快な主題は狩のホルンのようです。
 最後のロゼッティ(伝ハイドン)/2つのホルンの為の協奏曲変ホ長調はハイドンの作品として出版された曲ですが、当初からロゼッティの作ではないかといわれていました。LP時代から大変なじみの深い作品で、そのロマンティックな主題はなんど聴いてもよいもので覚えやすい主題が流れます。第2楽章冒頭の装飾音は合わせるのが難しそうです。第3楽章のお祭り的なアレグロは「メヌエットのテンポで」となっていて楽しいメヌエットです。この演奏もまた素晴らしい名演です。


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