ダヴィド・ゲリエ

ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調
CD(WANER 0190295831653)

アルゲリッチ/ルガーノ・ライヴ2016
CD1
1.ラヴェル/夜のガスパール
  マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
  録音 2016年6月17日ライヴ
2.ブゾーニ/ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op35a
  ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)
  アレクサンドル・ヴェデルニコフ指揮
  スイス・イタリア語放送管弦楽団
  録音 2016年6月10日ライヴ
3.モーツァルト/2台のピアノのためのソナタ
              ニ長調K448
  マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
  セルゲイ・ババヤン(ピアノ)
  録音 2016年6月30日ライヴ
4.ファリャ/2つのスペイン舞曲
        〜歌劇「はかなき人生」より
  セルジオ・ティエンポ(ピアノ)
  カリン・レクナー(ピアノ)
  録音 2016年6月21日ライヴ
CD2
1.ラヴェル/ピアノ協奏曲ト長調
  マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
  アレクサンドル・ヴェデルニコフ指揮
  スイス・イタリア語放送管弦楽団
  録音 2016年6月10日ライヴ
2.ベートーヴェン/合唱幻想曲Op80
  マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
  ディエゴ・ファソリス指揮
  スイス・イタリア語放送管弦楽団&合唱団
  録音 2016年6月24日ライヴ
3.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
  ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)
  ダヴィド・ゲリエ(ナチュラルホルン)
  ニコラ・アンゲリッシュ(ピアノ)
  録音 2016年6月13日ライヴ
CD3
1.ベルク/ピアノ、ヴァイオリンと13管楽器のための
                    室内協奏曲
  ニコラ・アンゲリッシュ(ピアノ)
  ルノー・カピュソン(ヴァイオリン)
  ブルーノ・グロッシ(フルート)
  マウリツィオ・シメオリ(ピッコロ)
  パオロ・ベルトラミーニ(クラリネット)
  コッラド・ジュフレディ(クラリネット)
  ステファノ・フランチェスキーニ(フルート)
  マルコ・スキアヴォン(オーボエ)
  フェデリコ・チコリア(オーボエ)
  アルベルト・ビアーノ(バスーン)
  ステファノ・センプリーニ(バスーン)
  リカルド・セラーノ(ホルン)
  ヴィットリオ・フェラーリ(ホルン)
  イヴァーノ・ビュアート(トランペット)
  フロリアーノ・ロシーニ(トロンボーン)
  エレーナ・シュワルツ指揮
  録音 2016年6月13日ライヴ
2.J.S.バッハ/ヴァイオリン・ソナタ第4番
                  ハ短調 BWV1017
  テディ・パパヴラミ(ヴァイオリン)
  マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
  録音 2016年6月21日ライヴ
3.ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
      〜ドビュッシーによる2台のピアノ版
  スティーヴン・コワセヴィチ(ピアノ)
  マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
  録音 2016年6月16日ライヴ
4.マルセロ・ニシンマン/オンブレ・タンゴ
  アンサンブル・レンクエントロス
  録音 2016年6月30日ライヴ

 ルガーノ音楽祭でのマルタ・アルゲリッチと仲間たちによる演奏会ライヴ録音です。
 CD1のラヴェル/夜のガスパールはアルゲリッチお得意のラヴェルです。このピアノはとても雰囲気の豊かな演奏です。
 ブゾーニのヴァイオリン協奏曲はフランスのヴァイオリニスト、ルノー・カピュソンのソロです。3つの楽章で構成され、大変技巧的でなおかつロマン的な作風です。ヴァイオリン・ソロもオーケストラも魅力的な響きが随所に表れます。
 モーツァルトの2台ピアノのためのソナタはマルタ・アルゲリッチとセルゲイ・ババヤンのピアノによる演奏です。アルゲリッチのピアノタッチの素晴らしさには感動です。
 ファリャの「2つのスペイン舞曲」は歌劇「はかなき人生」からの有名な2曲です。セルジオ・ティエンポとカリン・レクナーのピアノで演奏されます。1番はヴァイオリンで聴くのはもちろんですがピアノの編曲で聴くのもまたいいものです。
 CD2のラヴェルのピアノ協奏曲ト長調はマルタ・アルゲリッチのピアノ・ソロです。アバドやデュトワとの録音があってこの作品はアルゲリッチにはお手の物でしょう。オーケストラがフランス系ならもっと明るい響きになったかもしれませんが、この演奏もまたお見事といえます。第3楽章のスピード感は抜群でファゴットのソロも見事な演奏です。
 ベートーヴェンの「合唱幻想曲Op80」はマルタ・アルゲリッチのピアノとスイス・イタリア語放送管弦楽団そして合唱団による演奏です。20分の演奏時間の前半がピアノ協奏曲風で合唱は後半に入ります。ベートーヴェンの作品としても異色の作品ですがベートーヴェンの重厚な響きは変わりません。素晴らしい演奏と作品です。合唱も良い響きです。
 ブラームスのホルン三重奏曲はダヴィド・ゲリエのホルン、ルノー・カピュソンのヴァイオリン、ニコラ・アンゲリッシュのピアノによる演奏です。ダヴィド・ゲリエはナチュラルホルンを吹いての演奏です。ライヴ演奏でナチュラルホルンを吹くのは大変な努力を要しますが、ゲリエの演奏は第1楽章から正確な音程で素晴らしい演奏です。ハンドストップ音も聴きやすくて見事なものです。またカピュソンのヴァイオリンの響きの美しさも特筆ものです。第2楽章のスケルツォは速いテンポで進みます。ここでも見事なテクニックを見せます。トリオのホルンとヴァイオリンのデュオもピアノの響きも美しいです。第4楽章は弾むようなリズムでヴァイオリンとホルンがピアノに支えられて進みます。ピアノの美しい響きと力強いホルン、そしてカピュソンのヴァイオリンの研ぎ澄まされた音色と実に素晴らしい演奏です。驚きました。
 CD3ではベルクのピアノ、ヴァイオリンと13管楽器のための室内協奏曲が演奏されています。3つの楽章で構成されています。ピアノとヴァイオリン以外は管楽器という風変わりな編成です。演奏は息の合った素晴らしいものです。
 J・S・バッハのヴァイオリン・ソナタ第4番ハ短調は本来ヴァイオリンとチェンバロで演奏されますが、ここではピアノ伴奏で演奏されていますので少し響きの違いはありますがパパヴラミのヴァイオリンは素晴らしい響きです。
 ドビュッシーの牧神の午後への前奏曲はドビュッシーの代表作のひとつですが、ここではドビュッシー自身の編曲で2台のピアノで演奏されています。ピアノはアルゲリッチとコワセヴィチという巨匠2人の息の合った演奏が聴かれます。ハープのきらめきはピアノでうまく表現できますがフルートのソロがさらっと弾かれていてあれっと思います。いずれにしてもドビュッシーの作品はピアノで聴いてもドビュッシーの響きになるという不思議さがあります。
 最後はマルセロ・ニシンマンの「オンブレ・タンゴ」です。これはアルゼンチンタンゴと現代音楽が融合したような作品です。バンドネオンが加わっています。なおニシンマン自身がバンドネオンを演奏しています。


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