アントニー・ハルステッド

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調(1974)

CD1(PHILIPS 420 345-2)
CD2(PHILIPS 420 346-2))

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.      〃       第2番ヘ長調BWV1047
3.      〃       第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.      〃       第5番ニ長調BWV1050
6.      〃      第6番変ロ長調BWV1051

 ホセ・ルイス・ガルシア(ヴァイオリン)(1〜5)
 ニール・ブラック(オーボエ)(1&2)
 ジェームズ・ブラウン(オーボエ)(1)
 セリア・ニックリン(オーボエ)(1)
 アントニー・ハルステッド(ホルン)(1)
 マーティン・ガット(ファゴット)(1)
 ジョン・ウィルブラハム(トランペット)(2)
 デイヴィッド・マンロウ(リコーダー)(2&4)
 ジョン・ターナー(リコーダー)(4)
 リチャード・アデニー(フルート)(5)
 レイモンド・レッパード(チェンバロ)(5)
 ジェイン・リャン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 ピーター・ヴェル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 レイモンド・レッパード指揮
  イギリス室内管弦楽団
   録音 1974年11月ロンドン

 レイモンド・レッパードとイギリス室内管弦楽団によるブランデンブルク協奏曲全集です。リコーダーは名手デイヴィッド・マンロウが演奏しています。
 ブランデンブルク協奏曲第1番は速いテンポで始まります。さわやかな2本のホルンの響きが印象的です。オーボエの響きもきれいなものです。第2楽章のオーボエ・ソロとヴァイオリンが大変美しい響きです。第3楽章のアレグロでは2本のホルンが素晴らしい響きです。ガルシアのヴァイオリン・ソロも見事な演奏が聴かれます。第4楽章のメヌエットは速めのテンポの演奏になっています。第1トリオのオーボエとファゴットはきれいな演奏、オーボエにはヴァリエーションのようなアドリブも見られます。中間部のポロネーズはやや速めのテンポで演奏されています。第2トリオのホルンとオーボエの演奏は速めのテンポで見事な演奏です。ここはハルステッドのホルンやニール・ブラックのオーボエが素晴らしい響きです。
 第2番はピッコロ・トランペットのソロが大変きれいに響きます。オーボエとリコーダーも良い響きです。マンロウのリコーダーがよく聞こえます。第2楽章のアンダンテはオーボエとリコーダーとヴァイオリンと通奏低音のトリオ・ソナタのようになっています。素晴らしい演奏が聴かれます。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。オーボエとリコーダーも素晴らしい演奏です。
 第3番はテンポの速い演奏です。弦楽合奏の見事なアンサンブルが聴かれます。第2楽章のアダージョはヴァイオリンと通奏低音による長いカデンツァになっています。珍しい演奏です。最後に弦楽が重なります。第3楽章のアレグロは弦楽の素晴らしい演奏が流れます。
 第4番は2本のリコーダーが華やかです。デイヴィッド・マンロウらのリコーダーとガルシアのヴァイオリンとの絡みがきれいです。第2楽章はアンダンテ、弦楽とリコーダーの作り出す響きは美しいものです。第3楽章のフーガも華やかで響きも素晴らしい。
 第5番ではのフルート、ヴァイオリンとチェンバロがソロになります。この名曲はブランデンブルク協奏曲の中でも人気の高い作品というだけでなくヴァイオリンとフルートが活躍する素晴らしい曲です。レッパードのチェンバロ・ソロも聴きものです。第2楽章のフルートとヴァイオリンが歌う主題の美しさは素晴らしいものです。第3楽章のアレグロは跳躍するような主題がヴァイオリンとフルートで歌われます
 第6番は2つのヴィオラ、2つのヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロとコントラバスによる演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯します。勢いを感じさせる見事な演奏です。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。これもまた素晴らしい演奏です。


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