セレン・ヘルマンソン

エリアソン/ホルン協奏曲「蝶と鉄」
CD(CAPRICE CA21422)

エリアソン/ホルン&ヴァイオリン協奏曲集
 1.ホルンと弦楽のための協奏曲「蝶と鉄」(1992)
 2.デザート・ポイント(1981)
 3.ヴァイオリン協奏曲(1993)
  セレン・ヘルマンソン(ホルン)(1)
  ヤリ・ヴァロ(ヴァイオリン)(3)
  ユーハ・カンガス指揮
   オストロボスニア室内管弦楽団(1〜3)
   録音 1992年12月8&9日(1)
       1991年5月17日(2)
      1994年10月12〜13日(3)
  
  アンデシュ・エリアソン(1947〜)はスウェーデンの現代作曲家、ストックホルム王立大学で学んでいます。ホルン協奏曲はヘルマンソンの委嘱作品で副題の「蝶と鉄」というのは風変わりですが、この2つがこの曲のポイントのようです。第1楽章「リゾルート」は「鉄の音楽」で金属的な上下の動きのある主題が続きます。弦楽は不協和音が響き、ホルンと調和して強烈な音響を作ってします。第2楽章「レント」は広大な北欧の大地を思わせる朗々としたホルンの響きがあります。叙情的な楽章で、中間部でホルンがミュートを使いますが美しい楽章です。切れ目無く続く第3楽章「プレスト、レジエロ」は「蝶の音楽」です。蝶々が舞い飛ぶ様子を表現したようにふわふわ飛ぶ跳躍感あふれる主題が続きます。ホルン・ソロの難しさは第1楽章同様に大変なものでしょう。弦楽の響きもまた素晴らしく、ブリテンの弦楽作品を思わせます。
  「デザート・ポイント」は弦楽合奏のための作品です。この作品はデザートを作る様子を音楽にしたようで「フリージング・ポイント」「ボイリング・ポイント」など表現しています。ユニークな作品です。
  ヴァイオリン協奏曲も弦楽合奏をバックに演奏されます。1993年に演奏者のヤリ・ヴァロに献呈されていますが、前年のホルン協奏曲と関係があり第2楽章「レント」は雰囲気も似ています。ホルン協奏曲を懐古する部分がしばしば出てくるようで、第3楽章「プレスト」では蝶の主題のようなふわふわ主題が弦楽に現れます。


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