日高 剛

ベローリ/ホルンのための8つの練習曲
CD(Bitmap BMCD−1019)

1.ベローリ/ホルンのための8つの練習曲
2.サン=サーンス/演奏会用小品Op94
3.ノイリンク/低音ホルンとピアノのためのバガテル

  日高 剛(ホルン)
  大野 真由子(ピアノ)(2&3)
  録音 2014年3月25〜29日

  アゴスティーノ・ベローリ(1778〜1839)の8つのエチュードです。日高にとってコップラッシュの60のエチュードに続いてのエチュード録音です。詳しい解説と演奏上の注意点などホルンを練習するときに大変参考になります。なおベローリはホルン協奏曲(狩猟ホルンのための協奏曲)も作曲しておりツークが録音しています。
  エチュード第1番ハ長調はアンダンテ・エスプレシーヴォで、穏やかな曲で美しい主題を表現できる小品です。後半では細かいフレーズやトリルの練習ができます。第2番ハ長調はアレグロで主題と変奏曲です。主題と6つの変奏曲は3拍子で変奏曲が難しいので何度も練習するにはよいでしょう。
  第3番ハ長調はアレグロ・アジタートで2拍子、よくできた曲で音楽的にも魅力的な小品です。第4番ハ長調はアレグロの4拍子、易しい主題と細かいフレーズの続くところがあります。第5番ハ長調はレシタティーヴォ、アダージョ〜アンダンテ・ア・テンポ・ポラッカです。叙情的な冒頭と続くポラッカの楽しそうな主題があります。ポラッカは演奏が難しいですが何度も練習するには最適の小品でしょう。(日高氏はこの5番をin Eで演奏しています)
  第6番イ短調はアレグロで8分の6拍子、16分音符の細かいフレーズが連続する小品です。譜面ではスラーや装飾音など細かい指示があるようです。第7番ハ長調はアレグロで4拍子、冒頭は細かい音階の練習で、続くフレーズには、スラー、スタッカート、トリル、三連音符などいろいろの指示があ入りますのでシンフォニーの練習のようにできるところがよいでしょう。
  第8番ハ長調はアレグロで第1番から第7番までのエチュードはまとめたような小品です。この第8番が吹けるようになればどんな曲でも吹けるようになるかもしれません。
  サン=サーンスの演奏会用小品はサン=サーンスのホルン作品の代表作です。ベローリのエチュードをマスターすればこの難曲も吹けるようになるでしょう。日高の演奏は大変わかりやすく、スラー、タンギング、スタッカートとお手本として最適の演奏です。
  ノイリンクの「低音ホルンとピアノのためのバガテル」はそれほど録音は多くないのですが、オーケストラのオーディションで使われている作品です。低音が多く使われていて下吹きの需要なレパートリーでもあります。日高の演奏は低音まで迫力のあるものです。この作品の演奏上の注意点を細かく解説してありますので練習の際には大変参考になるでしょう。


トップへ
戻る
前へ
次へ