アンドリュー・ジョイ

シューマン/4つのホルンのためのコンツェルトシュテュック
CD(EMI 50999 6 090372 3)4枚組

シューマン/交響曲、管弦楽、協奏曲集
CD1
1.交響曲第1番変ロ長調Op38「春」
2.交響曲第4番ニ短調Op120
3.序曲、スケルツォとフィナーレOp52
  ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
  ドレスデン・シュターツカペレ
   録音 1972年9月1〜12日
CD2 
1.交響曲第2番ハ長調Op61
2.交響曲第3番変ホ長調Op97「ライン」
3.序曲「メッシーナの花嫁」Op100
  ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
   ドレスデン・シュターツカペレ(1&2)
  リッカルド・ムーティ指揮
   フィルハーモニア管弦楽団(3)
   録音 1972年9月1〜12日(1&2)
       1978年7月10日(3)
CD3
1.ヴァイオリン協奏曲ニ短調
2.チェロ協奏曲イ短調Op129
3.劇音楽「マンフレッド」序曲Op115
4.序曲「ヘルマンとドロテア」Op136
 フランク・ペーター・ツィンマーマン(ヴァイオリン)(1)
  トゥルルス・モルク(チェロ)(2)
  ハンス・フォンク指揮ケルン放送交響楽団(1〜3)
  リッカルド・ムーティ指揮
   フィルハーモニア管弦楽団(4)
   録音 1992年6月26&27日ライヴ(1)
       1994年3月10〜12日(2)
       1992年5月25〜30日(3)
       1978年7月10日(4)
CD4 
1.ピアノ協奏曲イ短調Op54
2.4つのホルンのための
   コンツェルトシュテュック ヘ長調Op86
3.歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲Op81
4.序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調Op92
   クリスチャン・ツァハリス(ピアノ)(1)
   アンドリュー・ジョイ(ホルン)(2)
   カスリーン・プトナム(ホルン)(2)
   ライナー・ユルキエヴィッツ(ホルン)(2)
   ヨアヒム・ぺルトル(ホルン)(2)
  ダニエル・バレンボイム(ピアノ)(4)
  ハンス・フォンク指揮ケルン放送交響楽団(1〜3)
  ディートリヒ・フィッシャー=ディスカウ指揮
   フィルハーモニア管弦楽団(4)
   録音 1991年12月13日ライヴ(1)
       1993年11月18〜20日(2)
       1992年5月25〜30日(3)
       1974年6月5日(4)

 このアルバムはシューマンの生誕200年を記念して発売されたものでEMIの録音の中から名演集をまとめたものです。協奏曲の指揮をしているハンス・フォンクは1991年から1993年にかけて録音した交響曲と協奏曲と序曲をまとめたアルバムがありましたが、ここではサヴァリッシュの録音した交響曲が収録されています。
 サヴァリッシュがドレスデン・シュターツカペレを指揮したシューマンの交響曲は洗練された響きの素晴らしさが評判でした。堅いイメージを脱皮した演奏で管楽器と弦楽のバランスのよさ、ダムを中心としたホルン・セクションの響きが名演奏を生んだともいえそうです。4曲と「序曲、スケルツォとフィナーレ」が収録されています。
 序曲「メッシーナの花嫁」と序曲「ヘルマンとドロテア」はムーティの指揮でフィルハーモニア管弦楽団の演奏です。ムーティもフィルハーモニア管弦楽団とシューマンの交響曲を全曲録音していました。序曲はそのときに録音されていたものです。
 ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲、ピアノ協奏曲、4つのホルンのためのコンツェルトシュテュックはハンス・フォンクの指揮でケルン放送交響楽団との演奏です。この4曲と交響曲、「マンフレッド」の録音は前述の通りアルバムになっていました。
 ツィンマーマンのヴァイオリン協奏曲はライヴ録音です。ツィンマーマン27歳の時の力強い演奏が聞かれます。透明感のある美音が見事です。
 トゥルルス・モルクはノルウェーのチェリストです。深みのある良く鳴る楽器はドメニコ・モンターニャだそうです。「マンフレッド」序曲はフォンクの指揮です。勢いのある素晴らしい演奏です。
 ツァハリスのピアノ協奏曲はライヴ録音です。イ短調の協奏曲としてグリーグのピアノ協奏曲とカップリングされることの多い作品ですが、このシューマンの作品はピアノとオーケストラの掛け合い、そして対話のある名曲です。シューマンのピアノ作品をオーケストラが盛り上げてくれる名作です。
 4本のホルンのためのコンツェルトシュテュックはバルヴの付いたホルンのために書かれた難曲です。4本のホルンはいずれもテクニックを要求されて緊張感のある名作です。アンドリュー・ジョイを始めとする4人のアンサンブルは圧倒的で響きも最高です。オーケストラとのバランスも良く抜群の演奏になっています。4本のホルンでは3番、4番のホルンが大変目立つほどで堂々と吹いています。この曲では4本のアンサンブルだけでなく3番、4番のソロがありますのでそこが聞きどころでもあります。第3楽章は迫力満点です。
 歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲は暗い響きでシューマンらしい響きのオーケストラ作品です。オペラの録音もありますが、序曲は度々演奏されます。
 「序奏とアレグロ・アパッショナート」は単一楽章のピアノ協奏曲ともいえる作品で、もう1曲「序奏と協奏的アレグロOp134」もよく演奏されます。ここでソロを弾いているのはバレンボイムでピアニストとして活躍していたころの録音です。指揮をしているのはバリトン歌手のフィッシャー=ディスカウです。


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