アラン・シヴィル

モーツァルト/ホルン協奏曲全集(1966)(2005EMI 国内盤)
CD(EMI CAPO-2015)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
5.ロンド変ホ長調K371(シヴィル編)

  アラン・シヴィル(ホルン)
  ルドルフ・ケンペ指揮
    ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
    録音 1966年9月28日&10月1日

 このアルバムはシヴィルのモーツァルト/ホルン協奏曲全集で2度目の録音、ケンペとの共演でした。
 ホルン協奏曲第1番はまろやかな音色のホルンで流麗な演奏です。第2楽章のテンポが速めで気持ちよいホルンが聴かれます。
 ホルン協奏曲第2番はオーケストラの厚い響きに支えられて滑らかなホルンがモーツァルトを歌います。きれいなレガートです。第2楽章の流麗なホルンもまた素晴らしい。第3楽章のロンドは軽快で巧みなホルンが聴かれます。
 ホルン協奏曲第3番は響きの良さが聴きものです。ホルンの滑らかな演奏がたまりません。カデンツァは高音から低音まで滑らかに吹きまくる素晴らしいものです。第2楽章のロマンツェはモーツァルトの作品の中でもとりわけ美しいといってよい主題が流れます。途中にアドリブが入ります。第3楽章のアレグロは滑らかに吹くシヴィルのホルンの音色が楽しめます。最後にアドリブがあります。
 ホルン協奏曲第4番はシヴィルのレガートのきれいな演奏が素晴らしい。何度聴いてもよい演奏です。カデンツァはハイトーンから低音まで使う長大なものです。見事な演奏が聴かれます。第2楽章のロマンツェはホルンの美しい響きが素晴らしいです。第3楽章のロンドは滑らかな演奏がきれいです。コーダ前にカデンツァの挿入はありません。
 ロンド変ホ長調K371はシヴィルの編曲です。展開部に大きなカットがあり、2度の録音でこの楽譜を使っています。1968年当時この演奏でロンドを覚えた私はペンツェルの演奏を聴いた時、聞いたことのないフレーズがあってびっくりしました。しかしながら、シヴィルはカットしたはずのフレーズをカデンツァに使ってしまうという面白いことをやっていたのでした。シヴィルだけの演奏で他に録音はありません。


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