ロビン・ダウアー

想い出/フランスのホルン作品集
CD(booark 2611-MCD)

Souvenir(想い出)フランスのホルン作品集
1.ビュッセル/演奏会用小品ニ長調Op39
2.シャルパンティエ/ディアーヌのために
3.ジャック・デ・ラ・プレール/スケルツェット
4.マルセル・ポー/伝説
5.ウジェーヌ・ボザ/アイルランドにて
6.ヴュイエルモーズ/旋律的な小品第8番
7.ジャック・デ・ラ・プレール/小鹿の夢
8.ピエール・マックス・デュボワ/言葉のないロマンス
9.ジョルジュ・ドルリュー/気まぐれな詩
10.ルネ・ギヨー/ホルンとピアノのためのソナチネ
11.ビュッセル/カントゥコールOp77
12.ロベール・プラネル/レジェンド(伝説)
13.ポール・ボヌー/想い出

  ロビン・ダウアー(ホルン)
  (使用楽器:コーン28D)
  デニス・ヘイ(ピアノ)
  録音1996&1997年

 ロビン・ダウアーによるホルンとピアノのためのフランス音楽集です。珍しい作品が多く収録されています。楽譜が発売されていてもCDがほとんど発売されていない作品もあって貴重なアルバムです。
 アンリ・ビュッセル(1872〜1973)の「演奏会用小品ニ長調」はホルンのための小品として知られています。ピアノの劇的な響きと跳躍的なホルンの主題が印象的です。
 ジャック・シャルパンティエ(1933〜)の「ディアーヌのために(Pour Diane)」は優しさあふれるおだやかなメロディがきれいな小品です。他にエルドン・マトリックの録音があります。
 ジャック・デ・ラ・プレール(1888〜1969)のスケルツェットは遊び心のあふれる小品です。演奏は難しくないでしょう。
 マルセル・ポー(1901〜1988)の「伝説」は穏やかな部分と速いフレーズの部分があって魅力的な作品です。ペーター・ダムが初めて録音していました。
 ボザの「アイルランドにて(En Irlande)」は楽譜が発売されているものの録音がほとんどない作品です。お探しの方には嬉しい録音です。「森にて」は有名でたくさんの録音がありますが、「山の頂で(頂上にて)」や「遥かな歌」は録音は少ないです。この「アイルランドにて」はアルランド民謡風のメロディが流れてきますがやがてボザらしい響きが出てきます。
 エミール・ヴュイエルモーズ(1878〜1960)の「旋律的な小品第8番」はその名の通りきれいなメロディが次々と流れてきます。
 ジャック・デ・ラ・プレールの「小鹿の夢」はフランスの名ホルン奏者ジャン・ドゥヴェミーの為に作曲された小品です。夢の世界の音楽は穏やかなメロディが流れます。軽いビヴラートがよく合います。
 ピエール・マックス・デュボア(1930〜1995)の「言葉のないロマンス(Romance sans Paroles)」は大変美しいロマンスで、丁寧に吹いているホルンには癒されます。なおテオドール・デュボワ(1837〜1924)とは別の作曲家でミヨーの弟子です。
 ジョルジュ・ドルリュー(1925〜1992)もミヨーの弟子で、「気まぐれな詩(Poeme Fantasque)」は20世紀の作品らしくピアノの不協和音が時折響きます。ホルンの主題は低音から高音まで使う現代風の作品です。
 ルネ・ギヨー(1903〜1958)の「ホルンとピアノのためのソナチネ」はホルンだけでなく、イングリッシュホルン、アルトサキソフォンやアルトホルンでも演奏できるようになっています。曲は3つの楽章で構成され穏やかな第1楽章:アンダンテ・グラチオーソ、動きの目まぐるしい第2楽章:アンダンテ、そして第3楽章:VIf(民謡による情緒の踊り)の美しいメロディの流麗なホルンが楽しめます。
 アンリ・ビュッセルの「カントゥコールOp77」はデュカスの「ヴィラネル」、ボザの「森にて」同様パリ音楽院の卒業試験の課題曲として作曲されていました。いまやホルンの定番として度々演奏されます。ダウアーの演奏も申し分ありません。
 ロベール・プラネル(1908〜1994)の「レジェンド(伝説)」は録音は少ないですがホルンのリサイタルにはかかせない作品でしょう。ロマンティックな作品です。
 ポール・ボヌー(1918〜1995)の「想い出(Souvenir)」はアルバムのタイトルになっています。曲は郷愁的なメロディーが流れる冒頭、動きのある中間部、ミュートを使う後半の3つの部分になります。
 とても素晴らしいアルバムです。また録音の少ない作品が収録されていますので嬉しいことでしょう。


トップへ
戻る
前へ