トマス・ベイコン

ドラゴンズ・イン・ザ・スカイ
CD(SUMMIT DCD135)

トマス・ベイコン/ドラゴンズ・イン・ザ・スカイ
1.マーク・シュルツ/ドラゴンズ・イン・ザ・スカイ
2.デニス・ルクレール/ホルン四重奏曲
3.ラッセル・ピンクストン/
        4つのホルンの為の四重奏曲
4.アーサー・ゴットシャルク/セクション
     〜4本のホルンとティンパニのための
5.マーク・シュルツ/T Rex
      〜ホルンとピアノのための

  トマス・ベイコン(ホルン)(1〜5)
  グリゴリー・ハスティス(ホルン)(2)
  ウィリアム・カバレロ(ホルン)(2)
  エリック・ラスク(ホルン)(2)
  ジュリー・ランズマン(ホルン)(3)
  ナンシー・グッディール(ホルン)(3&4)
  ジェームズ・ホロックス(ホルン)(3)
  ジェームズ・ウイルソン(ホルン)(4)
  ジェームズ・グレイバー(ホルン)(4)
  リチャード・ブラウン(パーカッション)(1)
      〃     (ティンパニ)(4)
  ダン・ウィルヒャー指揮(3)
  ブライアン・コネリー(ピアノ)(5)
    録音 1992年

  トマス・ベイコンと仲間たちによるホルンの現代作品です。ホルン・アンサンブルにパーカッションだけでなくエレクトロニック・テープ(電子音)を使ったユニークな作品が面白いです。
  マーク・シュルツの「ドラゴンズ・イン・ザ・スカイ」は4本のホルンとパーカッションの中に異様な響きが入ります。テープによる電子音はさまざまで雑音のような音も聞こえます。中間部にはミュートを使うところがありヴィブラフォンの響きがきれいです。ベイコンのソロはカデンツァのようです。
  デニス・ルクレールのホルン四重奏は4本のホルンのための作品で、ハスティス、カバレロ、エリック・ラスクという名手によるアンサンブルです。速いテンポで歌われる第1曲「ファンファーレ」は聞きもの。第2曲「フーガ」は遅いテンポできれいな和音が響きます。第3曲「狩り」は序奏のあとに速いテンポの主題が歌われます。1989年の作品ですが大変ロマン的な作品です。
  ラッセル・ピンクストンの「4つのホルンの為の四重奏曲」は1978年の作で、4本のホルンとエレクトロニック・テープのための作品です。ホルン・アンサンブルはグリッサンドを使うところがあり、その中に電子音が駆け回ります。この模様は面白く、電子音だけの部分など情景が目に浮かぶようです。後半ではホルン・アンサンブルの美しい響きが聞かれますので楽しいです
 アーサー・ゴットシャルクの「セクション」は4本のホルンとティンパニのための作品で1991年の作曲。序奏の部分は描写音楽のように和音が続きます。同じリズムの連続というのもユニークで単純な譜面のようです。後半はティンパニの細かいリズムが目立ちます。またようやくホルンに主題が現れてきます。またクライマックスを作っています。
  最後のマーク・シュルツの「T Rex」のみホルンとピアノのための作品で、ベイコンのホルン・ソロが聞かれます。ベイコンはヤマハのB♭シングルを吹いています。曲は2つの小品からできていて、第1曲「小さい足」、第2曲「大きい足/速い足」では空気を吹き込む音が聞こえます。後半ではグリッサンド、ゲシュトップ、フラッター・タンギングなど超絶技巧を要する難曲です。


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