デニス・ブレイン

ダンツィ&シェック/ホルン協奏曲、ヒンデミット/ホルン・ソナタ
CD(HANS PIZKA EDITION HPE-CD 02)

1.モーツァルト/ホルン協奏曲第2番変ホ長調
2.ヒンデミット/ホルン・ソナタ(1939)
3.ダンツィ/ホルン協奏曲変ホ長調
4.オトマール・シェック/ホルン協奏曲ニ短調Op65
  デニス・ブレイン(ホルン)(1〜4)
  パウル・ヒンデミット指揮
   南西ドイツ放送交響楽団(1)
  コンラート・ハンセン(ピアノ)(2)
  ユージン・ボダルト指揮
   クルプファルツ室内管弦楽団(3)
  パウル・ザッヒャー指揮
   パウル・ザッヒャー室内管弦楽団(4)
   録音 1948年10月10日(1)
       1951年4月19日(2)
       1955年5月31日(3)
       1956年5月4日(4)

 このアルバムはハンス・ピツカ・エディションの1枚で他では聴かれない演奏です。いずれも放送録音かと思いますが、音の古さはともかくとしてブレインの明るいホルンはきれいに響いています。
 モーツァルトのホルン協奏曲第2番はヒンデミットの指揮でドイツでの放送録音。2番の協奏曲は6種類ほどありますがこの1948年の録音は戦時中のものでした。ヒンデミットの指揮は楽章の最後にテンポを落とすもので大変面白いですがブレインのホルンは大変きれいに響きます。演奏スタイルは変わりません。まだこの時はラウーのピストンホルンを吹いていました。
 ヒンデミットのホルン・ソナタはスタジオ録音がありませんのでこの録音は大変貴重です。この演奏ではアレキサンダーのホルンを吹いているはずですから響きは大変きれいです。録音は古いですがブレインの美しい響き、豊かな音楽性で聴くヒンデミットのソナタはたまりません。
 ダンツィのホルン協奏曲は録音状態がかなり悪いですがブレインのホルンとなれば別です。ホルンの明るい響きが大きく聞こえてきます。第1楽章のカデンツァの凄いこと、こんなにもホルンを吹いてくれたら涙が出ます。第3楽章がバウマンの楽譜とかなり違うところが面白いです。終結も違いますがブレインで聴かれるのは嬉しいことです。カデンツァも鮮やかです。
 オトマール・シェックのホルン協奏曲は録音状態があまりよくありませんが、ブレインの録音は1956年のものですから最もきれいなホルンが聴かれたころのものです。ブレインのための作品ではありませんが、ブレインの演奏によって世に認められたのではないでしょうか。大変美しい演奏です。なおこのシェックのホルン協奏曲はJeklin Editionからも発売されていますが音質はそちらのほうが良いようです。


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