ハビエル・ボネ

起源より/無伴奏ナチュラルホルンのための音楽
ARSIS-5250(MP3音源)

「起源より」
無伴奏ナチュラルホルンのための音楽
1.ロッシーニ/狩のランデヴー(ボネ編)
2.ガレ/12のグランド・カプリ−スOp32
3.ブヤノフスキー/バラード 
4.フランシス/瀕死の鹿
5.ヘルマン・バウマン/エレジー
6.ブルトンス/起源より(Ab origine)

  ハビエル・ボネ(ナチュラルホルン)
  録音2013年6月11〜15日
  スペイン/ベドルン・教区教会

 ハビエル・ボネ(ボネト)のナチュラルホルンによるソロ・アルバムです。
 ロッシーニ(1792〜1868)の「狩のランデヴー」はバウマンがソロホルン用にアレンジした版がありますが、ここではボネ自身がアレンジした版が使われています。中間部の重音奏法の部分では高度なテクニックを要する中音域での重音まで吹いています。この曲だけでも圧倒されます。
 ジャック・フランソワ・ガレ(1795〜1864)の「12のグランド・カプリース」は高度なエチュードとも言える作品です。12曲ともに倍音だけでなくハンドストップを多用する作品で高度なテクニックを要するものですが、ボネトのホルンはバルブが付いているかのように流麗な演奏です。
 ヴィタリー・ブヤノフスキー(1928〜1993)の「バラード」は初めて聞きますが、大変きれいな作品で倍音を多く使いながらフラッタータンギングまで使う高度なテクニックを要する作品です。
 アラン・フランシス(1943〜)の「瀕死の鹿」は狩の風景を表現したものでしょう。動きのある主題は苦しそうな鹿を表したものと思われます。寂しさも感じられます。
 ヘルマン・バウマン(1934〜)の「エレジー」は巨匠バウマンの作品です。かつてミュラーの録音がありました。ボネの雄大な演奏もまた素晴らしいものです。
 サルバド・ブルトンス(1959〜)の「起源より (Ab origine)」はナチュラルホルンの表現力をふんだんに引き出したような作品です。それでいて主題の美しいことは特筆ものです。ホルンの響きを大切にした作品です。
 ボネのうまさ、表現力の豊かさを如実に表したアルバムです。ホルンを聴くのが楽しくなります。


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