ティモシー・ブラウン

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調(1988)
CD(EMI TOCE-6025/26)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.       〃      第2番ヘ長調BWV1047
3.       〃      第3番ト長調BWV1048
4.       〃      第4番ト長調BWV1049
CD2
5.ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調BWV1050
6.       〃     第6番変ロ長調BWV1051
7.序曲変ロ長調BWV194
 〜カンタータ「こよなき望みなる祝賀の宴は」より
8.協奏曲ハ短調BWV1029
  〜ヴィオラダ・ガンバ・ソナタBWV1029より
          ドゥルース編曲

 ジョン・ホロウェイ(ヴァイオリン)(1〜5)
     〃    (ヴィオラ)(6)
 ポール・グッドウィン(オーボエ)(1、2&7)
 ロレイン・ウッド(オーボエ)(1&7)
 キャサリン・レイサム(オーボエ)(1&7)
 ティモシー・ブラウン(ナチュラルホルン)(1)
 スーザン・デント(ナチュラルホルン)(1)
 フランセス・ユースティス(ファゴット)(1)
 デイヴィッド・スタッフ(トランペット)(2)
 マリオン・フェルブルッヘン(リコーダー)(2&4)
 アンネケ・ブケ(リコーダー)(4)
 ジャネット・シー(フラウト・トラヴェルソ)(5)
 ジョン・トール(チェンバロ)(1〜7)
 ロイ・グッドマン(ヴィオラ)(6)
 マーク・クードル(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 ウェンディ・ギレスピー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 スーザン・シェパード(チェロ)(1〜7)
 デイヴィッド・ワトキン(チェロ)(1、3、6&7)
 フランシス・ベインズ(ヴィオローネ)(6&7)
 アンドリュー・パロット指揮
  タヴァナー・プレイヤーズ
 録音 1988年7月&10月
   ゲートウェイ・スタジオ・キングストン

 アンドリュー・パロット指揮タヴァナー・プレイヤーズによるバッハのブランデンブルク協奏曲全集と2つの作品です。 タヴァナー・プレイヤーズはオリジナル楽器のオーケストラです。

 ブランデンブルク協奏曲第1番では2本のホルンと3本のオーボエの華やかな響きが明るい雰囲気を出しています。ジョン・ホロウェイのヴァイオリンもきれいに響きます。ティモシー・ブラウンとスーザン・デントのナチュラルホルンがきれいに響きます。第2楽章はポール・グッドウィンらのオーボエの美しい響きとヴァイオリンの響きがきれいです。第3楽章は2本のホルンと3本のオーボエがきれいに響きます。ティモシー・ブラウンとスーザン・デントのホルンが素晴らしい響きです。ホロウェイのヴァイオリンのソロもきれいです。第4楽章のメヌエットはやや速めのテンポです。第1トリオのオーボエとファゴットは美しい響きで大変素晴らしい演奏です。ポロネーズは、速めのテンポで弦楽に厚みのあるきれいな演奏です。第2トリオのホルンとオーボエは程よいテンポで大変良い響きの見事な演奏です。ナチュラルホルンの厚い響きが素晴らしいです。このメヌエットは素晴らしい演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第2番のトランペットはデイヴィッド・スタッフがピッコロ・トランペットを演奏しています。きれいな音色のトランペットです。これは素晴らしい演奏です。ポール・グッドウィンのオーボエやマリオン・フェルブルッヘンのリコーダーもきれいに響きます。第2楽章はオーボエ、リコーダー、ヴァイオリンが通奏低音と共に大変きれいな演奏です。第3楽章のトランペットは高音がきれいで完璧な演奏です。リコーダーやオーボエもきれいな演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第3番は弦楽合奏とチェンバロだけの演奏していますので厚みのある響きが素晴らしい。第2楽章のアダージョはヴァイオリンの短いカデンツァのあとに弦楽が入って終わります。第3楽章のアレグロは弦楽の緻密な演奏が素晴らしいです。勢いがあります。

 ブランデンブルク協奏曲第4番のリコーダーはマリオン・フェルブルッヘンとアンネケ・ブケによる演奏です。これこそリコーダーの和音と言える素晴らしい響きです。ホロウェイのヴァイオリンと共に良い響きです。第2楽章のアンダンテは冒頭の弦楽がよい響きです。リコーダーとヴァイオリンも良い響きを出しています。第3楽章の冒頭はフーガですが、この演奏は素晴らしいものになっています。ヴァイオリンも見事な演奏です。
 
 ブランデンブルク協奏曲第5番はジャネット・シーのフラウト・トラヴェルソ、ジョン・ホロウェイのヴァイオリン、ジョン・トールのチェンバロによる演奏です。冒頭の軽やかな弦楽による演奏に続くフラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン、チェンバロがきれいな響きです。後半のジョン・トールのチェンバロ独奏が素晴らしいです。第5番はここが聴きどころです。第2楽章のフラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリン、チェンバロのトリオ・ソナタがよい響きです。通奏低音は入りません。第3楽章も勢いのある素晴らしい演奏です。フラウト・トラヴェルソ、ヴァイオリンとチェンバロが素晴らしい演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、ヴィオローネとチェンバロだけによる、いわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますが緻密で素晴らしい演奏になっています。速めのテンポで勢いがあります。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。

 序曲変ロ長調BWV194〜カンタータ「こよなき望みなる祝賀の宴は」から、序曲のみの演奏です。3本のオーボエとファゴット、そして弦楽による演奏です。ブランデンブルク協奏曲を聴いているかのような響きです。

 協奏曲ハ短調BWV1029は「ヴィオラダ・ガンバ・ソナタBWV1029」をドゥルースが編曲したものです。3つの楽章があります。この編曲はヴァイオリンを抜いた弦楽による演奏です。まるでブランデンブルク協奏曲第6番を聴いているかのようです。ですから、ブランデンブルク協奏曲第7番と呼ぶこともあるようです。これは違和感なく聴けます。良い演奏です。


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