デニス・ブレイン

モーツァルト/協奏交響曲変ホ長調、ピアノと木管の五重奏曲
CD(TESTAMENT SBT1091)

1.モーツァルト/ピアノと木管の五重奏曲K452
2.ベートーヴェン/ピアノと木管の五重奏曲Op16
3.モーツァルト/協奏交響曲変ホ長調K297b

  デニス・ブレイン(ホルン)(1〜3) 
  ワルター・ギーゼキング(ピアノ)(1&2)
  フィルハーモニア管楽四重奏団(1&2)
  シドニー・サトクリフ(オーボエ)(3)
  バーナード・ウォルトン(クラリネット)(3)
  セシル・ジェームズ(ファゴット)(3)
  ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
    フィルハーモニア管弦楽団(3)
   録音 1955年4月15&16日(1&2)
       1953年11月17&18日(3)

 これはギーゼキングのピアノとデニス・ブレイン管楽合奏団、そしてカラヤンの共演です。五重奏曲はフィルハーモニア管楽四重奏団になっていますが、これは多分ギーゼキングに敬意を表してブレインの名を前に出さなかったのでしょう。メンバーは同じです。

 モーツァルトのピアノと管楽器のための五重奏曲はフルートが抜けた木管五重奏とピアノのための作品でこの組み合わせの代表作のひとつです。1784年モーツァルト28歳の時の作品です。3つの楽章で構成されています。第1楽章:ラルゴ〜アレグロ・モデラートはなじみ深い響きに始まります。ギーゼキングのピアノと共にサトクリフのオーボエ、ウォルトンのクラリネットなどによるモーツァルトは素晴らしい演奏です。ブレインのホルンがきれいに響きます。ジェームズのファゴットも良い響きです。後半のブレインのホルンの美しい響きは絶品です。ギーゼキングの流麗なピアノも素晴らしいです。第2楽章のラルゲットはモーツァルトらしい美しさがあります。ピアノも良い響きです。ホルンやファゴットも良い響きです。後半のオーボエ、クラリネットの主題もきれいに響きます。第3楽章のアレグレットはピアノの親しみやすい主題に始まります。この楽しくなる主題はモーツァルトならではのものでしょう。ピアノと木管は実に素晴らしい演奏です。ブレインのホルンも素晴らしい演奏です。

 ベートーヴェンの「ピアノと管楽器の為の五重奏曲」も同じ変ホ長調でモーツァルト同様に愛されています。1796年ベートーヴェン25歳の頃に書かれています。モーツァルトよりもピアノのパートが重厚な作品です。第1楽章の前奏ではブレインのホルンが印象的です。提示部ではピアノが主題を提示しています。木管とホルンがきれいです。ベートーヴェンの音楽の重厚さも感じられます。ギーゼキングのピアノも素晴らしい演奏です。再現部も見事な演奏です。第2楽章のアンダンテ・カンタービレはピアノに始まります。そして各楽器に受け継がれていきます。オーボエがきれいに響きます。ファゴットもきれいに響きます。中間部にはピアノのソロもあります。そしてブレインのホルンが大変きれいです。美しいカンタービレです。第3楽章のロンドもピアノの主題提示で始まります。ここはベートーヴェンらしい緊張感があります。そして流麗な主題もまたきれいなものです。クラリネットとファゴットも良い響きです。ギーゼキングのピアノとブレインのホルンの演奏の素晴らしいこと、絶賛したいと思います。

 モーツァルトの協奏交響曲変ホ長調はカラヤン指揮の演奏です。第1楽章の長い序奏、その良い響きと聞きなれた4つのソロ楽器の響きはまたよいものです。受け継がれる主題のよい響き、オーボエとクラリネットの響きの良さも素晴らしいです。ブレインのホルンとジェームズのファゴットの作り出す和音もよい響きです。展開部の華やかな響きも素晴らしいです。ホルンもきれいな響きです。再現部の演奏も素晴らしいです。ホルンが良い響きです。カデンツァは4人のアンサンブルが良い響きを出しています。第2楽章のアダージョは序奏のあとにオーボエ、ホルンからクラリネットに受け継がれる主題の響きが大変きれいです。そしてオーボエに続く優雅な響きはモーツァルトを聴く楽しみです。オーボエ、クラリネット、ホルンそしてファゴットのきれいな響きは素晴らしいです。この楽章もきれいな演奏です。第3楽章はアンダンティーノ、4つのソロ楽器が良いアンサンブルを奏でます。この楽章は変奏曲になります。それぞれの楽器の腕の見せ所でもあります。ファゴットの演奏も素晴らしいです。ブレインのホルンも大変素晴らしい演奏です。カラヤンのモーツァルト、これは素晴らしい演奏です。


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